ドクダミはナチュラルバイオハザード,と言う人がいるくらいに,生命力が強く,すぐにそこらじゅうにはびこってきます。しかし,その一方でいろいろな薬効が知られていて民間医療薬としてよく使われています。
この季節は白い可憐な花を咲かせていますが(厳密には白いところは花ではありませんが),この時期がドクダミのもっとも勢いがある時期なのだそうです。

花を集めてそのエキスをアルコールに抽出してかゆみ止めとして使える,という話はネットを調べるとたくさん見つかります。以前にも花を集めてアルコール漬けにしてかゆみ止めとして使ったことがあります。よく効くかと問われても,実際のところはよくわかりません。アルコール分がそれなりにあるので,なんとなく痒みが引くような気もします。ただの消毒用アルコールでも,ドクダミエキス入りでも変わらない気もします。
痒みを押さえる成分は花粉にある,との話もあって,摘んできた花を洗わずに直接アルコールに突っ込め,とか,そもそも根拠がよくわからないので諸説様々です。以前に作ったときは洗ったので,今年は洗わないでやってみよう,と考えました。
また,蚊にさされたときは,ドクダミの生葉をすりつぶして汁を出してそれを塗ると痒みが引く,という話もよく聞きます。ならば,花のエキスだけではなく葉のエキスも効くはずです。というわけで,花と葉のエキスをアルコールで抽出して痒み止めとして使えるかどうか試してみようと考えました。
私は,かなりひどいアレルギー体質で,蚊に刺された後,痒くなるのはもちろんですが,しばらくして痒みが引いたあと,1, 2日してから改めてさされた場所が赤く腫れてきてその後,1週間くらい痒い,というなんともありがたい体質です。そのため,痒み止めは手放せません。仕事でフィールドでの作業も多く一度蚊に刺されるとあとがたいへんです。
やることは簡単で,花を摘んできて埃や虫などを手で払って,熱湯消毒した瓶にぎゅうぎゅう詰めにして35度のホワイトリカーをドボドボ入れてふたをするだけです。葉の方は一応,きれいに洗ってから同様に瓶にぎゅうぎゅう詰めにしてホワイトリカーを入れました。ネットで見ていると,花の量もそれほど多くいれていないように見えるものもありますが,エキスを抽出する,という観点からは,単位体積あたりの原料が多ければ多いほどより多く抽出できるのだからぎゅうぎゅう詰めにするほうが理にかなっています。ぎゅうぎゅう詰めにすることに別の問題があるのかもしれませんが,特に何も問題点が思いつかなかったのでぎゅうぎゅう詰めました。
何よりも,ボトルにぎゅうぎゅう詰めにするだけの原料を集めるのが意外にたいへんです。葉は1本のドクダミにたくさんついているので(当たり前),それなりに集まりますが,花は小さい上に数も多くありません。庭の草むしりをしているとドクダミだらけ,という印象で頭にきますが,それでも庭に生えている程度のドクダミではとてもじゃないですが,ボトル一杯の花を集めるなんてことはできません。幸か不幸か職場には大量にドクダミが生えているので,群生しているところでかき集めることができました。
というわけでできたボトルが下の写真です。

100均で買ってきた瓶です。煮沸消毒なんていってますが,ドクダミのほうは加熱しているわけでもなんでもないので,バイキンだらけで消毒することの意味なんて気分だけです(一応,熱湯を容器にぶっかけるくらいのことはしましたが)。アルコールをドボドボ入れるので普通はそれで十分な殺菌効果があるように思います。
これで1週間後には使えるという人もいれば,数ヶ月放置,という人もいます。写真の一番左に写っている茶色の液体は以前にドクダミの花で作った痒み止めです。それなりに使ったので残りがこの写真に写っている分だけになってしまいました。たぶん,このような茶色になればOKなのだと思います。
あとは,プラセボ効果を期待して,痒くないおまじないをすれば効き目もバッチリに違いありません。