HEXANON AR 28mm F3.5

KONICA HEXANON AR 28mm F3.5
マウント:AR
焦点距離:28mm
開放F値:3.5
絞り羽根:6枚
レンズ構成:7群7枚
最短撮影距離:0.3m
最大撮影倍率:
フィルター径:55mm
質量:210g? (カタログ値)

IMGP5689_1024.JPG

コニカのARマウントの広角レンズです。開放F値は3.5と控えめで,あまり無理をしていないからか,よく写るレンズ,という評価のようです。コニカのARマウントレンズ,というか一眼レフに関する情報はあまり多くはありませんが,このレンズについて,こちらにかなり詳しい情報がありました。中国語なので私には直接理解できませんが,今や,AIベースの機械翻訳の精度は十分に実用的なので,おおよその意味を拾うには十分です。

このページによると,HEXANON 28mm F3.5は初期の小西六時代のFマウント時代にはまだリリースされておらず,初期型はARマウントになってからリリースされています。その初期型(第1世代)は6群7枚構成のレンズでプリセット絞り,フィルタ径も58mmだったようです。これはFマウント時代に設計されてリリースされる前にFマウントが廃止になったためARマウントとしてリリースされたのではないか,ということです。

その後,EE化された際に7群7枚構成,フィルタ径55mmに設計変更されています(第2世代)。クロームリングのデザインのまま細かいマイナーチェンジがあり,EEタイプの最終型は黒一色になります(第6世代)。さらに,7群7枚構成のままAE化されますが(第7世代),フォーカスリングが金属製からラバー巻きに変更されます。最後期型(第8世代)は1987年にリリースされますが,その際にレンズ構成が5群5枚に変更されて大幅に小型化されます。

ネット上のさまざまなところに断片的な情報が散らばっており,最後期型の28mm F3.5はレンズ構成が簡略されたため,それ以前のものに比べて描写性能が劣っており,7群7枚構成の最後のバージョンが優れているという意見や,そうではない,という意見もあるようで,よくわかりません。

私の手元にある個体は,前面の銘板にARの文字が入っているEE版で,クロームリングがついたタイプでは最後のバージョンだと思われます。このページに記載されたバージョンの中では第5世代に相当します。HEXANON 57mm F1.4のモデルバリエーションがこちらに細かく示されていますが,このバリエーションのなかでは,「後期型-I」が最も近い世代だと思われます。

コニカのARマウントレンズのレンズリアキャップは入手が困難なのですが,先に入手していた標準レンズのリアキャップが欲しくてリアキャップ付きの安い28mm F3.5を調達する,という何がやりたいんだかわからんような目的で入手したのがこのレンズです。本当に安い個体も少なくないのですが,この個体は光学は超美品などと転売屋さんにありがちなよくわからん表現でヤフオクにでていたものです。2000円弱で落札しましたが,写真も撮れるリアキャップ代と考えればリーズナブルなところだと思っています。実際には絞って青空を撮ると埃がそれなりに写るので超美品かと言われるとちょっと首を傾げたくなりますが,カビや曇りはなさそうなので,実用的には十分使えるものです。

リアキャップを他のレンズに使うと28mm F3.5のリアキャップがなくなるわけで,無限のワナにハマってしまうという,最初に気付けよ,という間抜けっぷりです。結局のところ,オリンパスのOM用やシグマSA用の一部のリアキャップが実用的には使える,ということがわかったのでそれで問題は解決して,めでたく無限ループから抜け出すことができました。

IMGP5699_1024.JPG
IMGP5698_1024.JPG
IMGP5703_1024.JPG
IMGP5705_1024.JPG

このレンズによる作例をこちらにおいています。よろしかったらご覧ください。

HEXANON AR 40mm F1.8

KONICA HEXANON AR 40mm F1.8
マウント:AR
焦点距離:40mm
開放F値:1.8
絞り羽根:6枚
レンズ構成:5群6枚
最短撮影距離:0.45m
最大撮影倍率:
フィルター径:55mm
質量:141.81g (実測値)

IMGP5361_reduced.jpg

コニカのARマウントのレンズの中でも有名な部類に入ると思います。パンケーキ型で鏡筒の長さが非常に短いレンズです。普通のパンケーキ型レンズは3群4枚構成のテッサータイプがほとんどですが,このレンズは5群6枚のウルトロン型(変形ガウス型)です。短い筐体によくもそれだけレンズを詰め込んだ,ものだと思わせるレンズ構成です。でもって,パンケーキ型レンズとしては破格に明るい開放F値と,普通に45cmまで寄れる最短撮影距離を実現しており,作り手のこだわりを感じさせてくれます。レンズ構成などについては,こちらで詳しく説明されています。

パンケーキ型であるだけでなく,そのレンズ構成,設計者,正面に赤色で刻印された大きな「40/1.8」という文字,など,写り以外のところでいろいろと話題が多いレンズです。

1979年に発売されたコニカの一眼レフ機であるFS-1のセットレンズとして共に発売されています。その後,1980年発売のFC-1にもセットレンズとして使われたようですが,その後は,コニカのARマウントの一眼レフ機そのものが終焉に向かっていきます。FS-1の発売時のコニカの立ち位置がどうだったのか,はよくわかりませんが,1980年頃がコニカ一眼レフの終わりの始まりだったように思われます。この頃の一眼レフカメラを取りまく状況は,いつも深い造詣に裏打ちされた不思議テイストのサイト(けっこう,楽しく読ませてもらってます)にも触れられています。

このレンズはカメラの売れ行きが必ずしも好調ではない時期に出されたセットレンズなのでコストの制約が厳しかったと想像され,高級品として企画されたものではなかったはずです。しかし,セットレンズがレンズ沼の入り口ですので,セットレンズはそれなりの性能がなければカメラシステム全体の評価を落としかねませんし,他のレンズも買ってもらえない,ということもあって手抜きができない,という難しい立ち位置にありました。そこへ50mmではなく40mmを投入してきた,というのも当時のコニカが独自性を出そうとしていろいろ考えていた,ということなのだと想像されます。

あまりよい状態の個体は見つかりにくいようで,手持ちの個体もそれほど状態がよいわけではあrません。逆光で大暴れするのはコーティングがダメになっているからかもしれません。基本的に逆光の条件で強い光が前玉に入り込むとゴーストがでてコントラストが大幅に低下します。その一方で斜光や順光の条件では,つまらない画になりそうなところを,あれっと振り向かせる何かがあることがあります。私の腕の問題もあって,いつもそれを再現できるわけではないのですが,何かよくわからない引き付けるものがある場合があるのです。まったりした,少し粘性が高いねばっとした写りというのでしょうか,だからといって重苦しいわけではなくかといってさっぱりしているというわけでもなく,言葉にしにくい不思議な表情を見せることがあります。

α7Sの絞り優先自動露出で撮ると,たいていの場合はなんだか色が浅くて必要以上にスッキリした画になることが多いようです。その特性をうまく活かすとハイキーな妙に明るくて軽快な画になって,ひょっとすると今時のインスタ映えする,と言われるような画が得られます。一方で少し露出をアンダー目にすると,ぐっと色がでて腰がすわわったような画になります。そういう意味で懐が広いというか,表現の引き出しが多いレンズと言えるのかもしれませんが,いつもはその引き出しを開けるのが難しくて,多くの場合はなんだかカスみたいな画ばかり量産してしまう(もちろん,撮影のウデの問題が大きいけど),という実に難しいレンズです。

コニカのARマウントのレンズの中で独自の地位(?)を築いているのはそういう予想が難しく,いつも新鮮な驚きを与えてくれるレンズ,という特性が貢献しているのかもしれません。

IMGP5360_reduced.jpg
IMGP5359_reduced.jpg

このレンズによる作例をこちらにおいています。よろしかったらご覧ください。

FUJINON L 5cm F2.8

Fuji Photo Film FUJINON L 1:2.8 f=5cm

マウント:L39
焦点距離:50mm
開放F値:2.8
絞り羽根:10枚
レンズ構成:4群5枚
最短撮影距離:1m
フィルター径:40.5mm
質量:???.??g

FujinonL_5cmF28_1.jpg

フジフィルムがバルナックライカコピーのレオタックス用にF2の上位機とともに供給した標準レンズです。供給した期間は1957年から1958年とごく短い期間で,F2レンズが5000本程度,F2.8レンズが6000本程度生産されたようです(こちらより)。一方で生産数は1000本程度,と書かれているところもあって実際のところははっきりしません。F2レンズは途中で距離環にピントレバーがつくようになるという小変更がされていますが,F2.8レンズは特に変更はなかったようです。

このレンズはレンジファインダー機用の標準レンズとしては珍しい4群5枚のクセノター型構成で,上位のF2レンズよりもよく写る,という評判でそれなりに人気があるようです。直進式のヘリコイドではないので,距離環をまわすと絞り環もいっしょに回ってしまうので少し使い勝手が悪いレンズです。しかし,レンジファインダー機で使う場合はピントをあわせるまえに絞りを決めてからでも撮影に不便はないのであまり困らないとも言えます。

こちらにレンズの構成図など詳しい情報があります。このサイトでは1954年に発売された,と書かれていますので,正確な登場時期はよくわからないですが,まぁ,おおよそ1955年前後,ということなのでしょう。クセノター型という構成によって鋭いピント面と広いダイナミックレンジを実現しているレンズということのようです。実際,実写してみると,空気感というかその場の雰囲気の描写はかなり優れているように思います。

Leica M Monochrome TYp246につけてみると以下のような感じになります。。
FujinonL_5cmF28_5.jpg

この個体は絞り羽根がどうやら1枚欠落しているようで絞りを閉じていくと開口部の形状がとてもイビツな形になります。また,距離環もスカスカでグリスがほとんど切れているようです。ちゃんと調整しないとすぐにヘリコイドがかじりついてしまいそうです。いずれにしてもこの個体はかなり状態は悪い,と言わざるを得ません。足りない絞り羽はどうしようもないですから,開放で使うかがっつり絞ってF16で使うか,で騙し騙し使うしかなさそうです。

FujinonL_5cmF28_2.jpg
FujinonL_5cmF28_4.jpg
FujinonL_5cmF28_3.jpg

このレンズによる作例をこちらにおいています。よろしかったらご覧ください。