M2TECH HiFace Evo Two (2)

先日,HiFace Evo TwoをVoyage MPDにつないでDSDの再生を試してみたところ,DoPは認識するけれども,S/P difやAESには何も出力していないようでMytek Stereo 192-DSD DACから再生ができない,ということを確認しました。

そこで,これまで使っていたSOtMのDDCであるdx-USB HDをVoyage MPDにつないでS/P dif出力をHiface evo twoに入れて,AESでmytekにつなぐ,という持って回ったことをやってみました。

1) Voyage MPD --USB--> Hiface Evo Two --AES--> mytek
この接続の場合,mytekを入力信号に同期するように設定するとクロックが176kと表示されますが音は出ません。クロックが同期するということは何か出力しているのかもしれませんが,DoPデータが送られてきているわけではないようです。これは先日の結果のとおりです。

2) Voyage MPD --USB--> SOtM --AES--> mytek
このように接続してDoPを送ると,mytekは入力信号に同期させればDSDを正しく再生できます。mytekのinternal clockの176kに同期させようとするとブチブチ途切れます。

3) Voyage MPD --USB--> SOtM --S/P dif Hiface Evo Two --AES--> mytek
3-1) Hiface Evo Twoのサンプリングレートコンバータ(SRC)の設定はbypass, mytekは入力信号に同期
この場合は,1)と同じことなのでDoPを普通に再生できます。しかし,Hifaceの液晶画面を見ていると,通常は176kと表示されているのですが,ときどき一瞬だけunlockと表示されたりします。SOtMの送り側のクロックとうまく同期できない場合があるようです。

3-2) Hiface Evo Twoのサンプリングレートコンバータ(SRC)の設定はbypass, mytekはinternal clockに同期
これも1)と同じことですのでDoPを送るとmytekが同期できずにブチブチ音が途切れます。

3-3) Hiface Evo Twoのサンプリングレートコンバータ(SRC)を176kに設定, mytekは入力信号に同期
SRCを通すことでクロックを叩きなおすことができるはずなので,このような設定にしておけばSOtMのクロックの精度が悪くてもHifaceのクロックの精度が高ければmytekの間の同期は確保されるだろう,というのを目論んでつないでみました。たしかに,mytekは176kで同期しますがDoP信号とは認識しません。SOtMから送られてきた信号と同じサンプリングレートでもSRCを通す時に適当な補間が入るのか,DoPの条件を満足しなくなるようです。ビットパーフェクトでなければDoPとして認識することができませんから,補間がはいればDSDを再生できないのは当然です。

というわけで,ここまでやって,私の目論みは完璧に挫折しました。いくらHiface Evo Twoにクロックを突っ込むことができても,DoPをそのまま出力してくれないのであれば,まったくの役立たず,ということになります。USBからのDoPはI2SにDSDとしてしか出力しないという仕様は困ったものです。

ちなみに,44.1kの信号をSOtM経由でHifaceに入れてそれをSRCを通してサンプリングレートを変えたものをmytekに突っ込むと正しく動作しません。何か根本的なところで私が勘違いをしているのでなければ,SRCの動作はかなり謎です。

どうも,Hiface Evo Twoはやはり失敗した感が全開です。うーむ。

この記事へのコメント

  • messa(オーディオ目玉親父)

    初めまして。
    貴重な実験結果ありがとうございます。D/Dコンバーター探していて、検索からお邪魔しました。M2TECH HiFace Evo Twoは、コンパクトでクロック入力できて良いなぁと思ったんですが。。。

    http://www.phileweb.com/interview/article/201206/26/146.html
    DoPの仕組み的には、PCM信号としてサンプリングレートを変えてしまうと機能しなさそうです。ただ、同じ周波数でリクロックは大丈夫そうなんですが。。。残念な結果でしたね(>_<)

    私も見逃していたんですが、改めて日本語のHP(http://m2tech.jp/hifaceevotwo.html)みると、確かにDoPはI2Sのみ対応って書いてありました。AESやRCA出力にもDoP形式で出力して欲しいところですよね。それ以外は、D/Dとしてかなり魅力的なんですが。。。バージョンアップとかでどうにか出来ないもんでしょうかね(^^;)
    2017年02月07日 13:30
  • MOR

    messa(オーディオ目玉親父)さん

    こんにちは。コメントありがとうございます。私のweb logの初コメントです。自分のメモとして書いているだけなので,コメントがついていることに全く気がついていませんでした。すいません。

    S/P difやAESにDoP信号を突っ込んでDSDを再生できるDACそのものが非常に限られているので,需要がないと考えているのかなぁ,と思っています。MytekのDSD DACはせっかくクロック入力があってもUSBやFireWire入力ではそれが活かされていないようですので,悔しい感じがしてなんとかしたい,と考えています。音の善し悪しではなく,完全に目的が違うところにいってしまってます。

    176kで外部クロックに同期させながらDSDを再生するというのはできそうできない感じです。もちろん,I2Sもクロックを送ってますから,外部クロックに同期していると広義には言えるのかもしれませんけど,そもそも機器内部で使うことが前提のI2Sを長いケーブルで引っ張り回すのはなんとも精神衛生上あんまりうれしくありません。

    ほとんど目的が何かわからなくなっていますが,
    Mac mini -->firewire-->Brainstorm DCD-8-->dual AES-->Apogee Big Ben-->S/P DIF-->Mytek 192-DSD DAC
    と接続することでDoPでDSDを再生できることを確認しています。D/DコンバータとしてDCD-8はリロックしてから出力するようなのでMytekをDCD-8のクロック出力に同期させればまともに再生できます。

    問題はDCD-8で176kの出力がdual wireのAESに限られるため,dual AESをsingle AESかS/P DIFに変換するD/Dを間に挟まなければならない,ということです。Apogeeの古い機種はこのような目的に使えて,BigBenとRosetta 200で動作を確認しています。古いdCSの972や974のようなD/Dも使えるはずですが,持っていないので確認してません。

    はっきりいって手間がかかってコストもかかって,使い勝手も最悪なので動くかどうかを確かめる,という目的以外には使い道はなさそうです。これだけの機材があれば,もっと普通に使えて音のよいDACを調達できそうな気がします(涙)。
    2017年02月24日 23:34
  • messa

    返信ありがとうございます。

    凄い実験結果ですね(^^;) でも、やっぱりDACとD/Dは外部クロックからリンクさせたい所です。お気持ちわかります。メーカー(本国)に直接、AESもスルーでDop信号出せってメールしてみたら、対応してくれないかなぁ。。。

    dualAESは手持ちのdCSのDAC対応していますね。確かに、それだけ数珠つなぎ出来る機器分を考えたら、DAC良いのを購入した方が良いかも。でも、それだけ数珠つなぎにして、ちゃんと音が鳴るって凄いですね。また、お邪魔させて頂きますね。よろしくお願いいたします。
    2017年03月01日 14:11