bunsenlabs Boron

bunsenlabsの新しいバージョンのBoronが1月24日にでていました。

せっかく,berylliumの設定をしたところでしたが,とっととアップデートしてみます。というか再インストールします。ここから64bit版のisoイメージをダウンロードします。

USBスティックにRaspberry Pi Imagerを使ってisoイメージを書き込んでMacBook Air Mid 2011に挿してOptionキーを押しながら起動するとブートドライブのリストが表示されるので,そのBoronを書き込んだメディアを選択して起動します。ブートメニューが表示されるのでインストーラを選択して,インストーラを起動します。言語とキーボードのレイアウトの設定をして全てのディスクを使ってインストールしてしまいます。

インストールが終わってからの設定はberylliumの場合と特に違いはありませんでした。メニューを起動するbunsenlabsのロゴが消えたので,commandキーを叩いてメニューを立ち上げなくてはならなくなりました。わかってればそれなりに便利なのでこれはこれでよいと思います。

あとは必要なアプリを以前と同様にインストールします。

berylliumに比べて少し重くなっているようで,上記ページに記載したアプリをインストールした状態で6GBほどディスクを消費しており,firefoxとVSCode,ターミナルを起動した状態で1.65GBほどメモリを消費しています。今時のOSに比べれば軽いですが,もうちょっと軽くならないものか,という気はします。

このあと,さぁ使ってみようと思ったらいろいろ入っていないものがあることに気が付きました。特にsshdがインストールされておらず,リモートのX window systemのアプリをローカルに表示できない,というのも死にそうです。このことは,以前にLinux Mintをインストールしたときにもはまったのでそのときと同様の対応をします。

1. sshdのインストール
sudo apt install openssh-server

2. リモートのXアプリの表示
/etc/ssh/ssh_configを編集して,
ForwardX11 yes
ForwardX11Trusted yes

/etc/ssh/sshd_configはデフォルトで
X11Forwarding yes
となっているはずなのでそれを確認しておきます。noとなっていればyesに変更します。

bunsenlabs Boronではlightdmが動いているようなのでlightdmの設定で,tcpの6000番をX serverがlistenするようにします。/etc/lightdm/lightdm.confのなかでコメントアウトされている以下の2行をコピーしてコメントをはずします。
# xserver-command=X
# xserver-allow-tcp=false
xserver-allow-tcp=true
xserver-command=X -listen tcp

lightdm.confファイルの上の方にコメントとして大量の説明がありますが,その部分を設定だと勘違いしていくら修正しても無視されます。
[Seat:*]というセクションの後ろにコメントとして書かれている設定の部分を修正しなくてはなりません。これでハマりにハマりまくりました(泣)。

設定ができたらlightdmを再起動します。
sudo systemctl restart lightdm

lightdmを再起動したら再度loginして,netstat -an | grep 6000とやると,

tcp 0 0 0.0.0.0:6000 0.0.0.0:* LISTEN
tcp6 0 0 :::6000 :::* LISTEN

のように表示されて,6000番ポートをlistenしていることがわかります。なお,netstatコマンドは下記3.に書いているnet-toolsをインストールしないと使えません。

Boron上の適当なターミナルエミュレータで
xhost +
ssh -X hoge
とやってhogeにログインします。xhost +は任意のリモートサーバーの画面表示を許可する,という意味です。許可するリモートサーバーを限定する場合はxhost + hogeというようにホスト名を入れます。

hogeにloginしたら,hoge上でxterm &などとやると,Boronの画面にhogeのxtermが表示されます。めでたしめでたし,です。

3. 伝統的な(非推奨になった)ユーティリティのインストール
ifconfigはいつのまにか非推奨になったらしいのですが,気にせずインストールします。
sudo apt install net-tools

nslookupも使えないのでインストールします。
sudo apt install dnsutils

bunsenlabs berylliumの設定

軽いLinuxのひとつであるbunsenalbsのberylliumをインストールして,とりあえず日本語変換までできるところまではここにメモをしましたが,その後,放置していました。

MacBook Air Mid 2011を長らく使ってきました。64GBのSSDと4GBのメモリではこの機体で使える最も新しいOSであるHigh Sierra (macOS 10.13)はあまりにも重くてとても使えません。しょうがないので以前に試したことがあるbunsenlabs berylliumをインストールしてみようと考えました。bunsenlabsは日本語環境をインストーラからインストールできてとてもよいのですが,英語キーボードだと日本語変換の切り替えなどがなんだかよくわからん,ということになってしまい,いつものようにハマりました。特に,emacsで多用するctrl+spaceが日本語切り替えに割り当てられていたりしていろいろな意味で使いにくく,かつ,その設定の変更方法がよくわからなかったのでメモを残します。

0. MacBook Airにbunsenlabsをインストールする。
Raspberry Pi Imaberを使ってISOイメージをUSBスティックに書き込みます。そのUSBスティックをMacBook Airに挿してOptionキーを押しながら電源を投入するとブートドライブを選択する画面が表示されるのでUSBスティックを選択すればあとはインストールしてくれます。インストールの際に言語を日本語,キーボードとして米国を選ぶ(英語キーボードなので)ところに気をつければあとは勝手にインストールが完了します。

1. 入力メソッドfcitxの設定
bunsenlabs berylliumをインストールしたら,

$ sudo apt-get update
$ sudo apt install task-japanese task-japanese-desktop
$ sudo apt install fcitx-mozc

としたあと,いったんlogoutしてloginしなおすとimにfcitxが,日本語変換にはmozcが使えるようになります。設定は,左下のロゴマークをクリックして,メニューの下のほうにあるapplication -- 設定 -- Fcitx設定 とたどると「入力メソッドの設定」というウィンドウが起動します。

キーボード - 英語(US) 英語
Mozc 日本語

が表示されます。Mozcを選択して,ウィンドウの下にあるキーボードのアイコンをクリックしてキーボードを英語(US)にしておきます。たぶん,この設定はせずにデフォルトの「既定」のままでよいのかもしれませんが,もはや何がどこに影響するのかわからないのでとりあえず設定して問題はなさそうなのでそのままにしています。

ウィンドウの上にいくつかボタンがありますがそのなかの「全体の設定」を選ぶとキーの設定ができます。「入力メソッドのオンオフ」にはCtrl+Spaceが設定されていますが,このままではemacsと競合してしまうため変更しなくてはなりません。Ctrl+Spaceと書かれている部分をクリックすると入力待ちになるのでShift+Spaceを叩くとそれが設定に反映されます。macOSではCommand+Spaceを使っているので同じ設定にしたいのですが,そうするとこんどはデスクトップのメニューを表示するショートカットとぶつかってしまってimの切り替えができません。しょうがないのでShift+Spaceで妥協しました。

2. Mozcの設定
imの切り替えができるようになったら,次はmozcの設定をします。先ほどと同じ設定メニューのなかにある「Mozcの設定」を選ぶと「Mozcプロパティ」が起動します。いつも使っている句読点がカンマとマルなので,それを選びます。「キー設定」はATOKにしておきます。本当はWnnにしたいところですが,そんなメニューはないし,カスタマイズをするのは面倒なので手間をかけずにATOKにしています。

3. CtrlとCaps Lockの入れ替え
一番最初にやるようなことなのですが,よくわからなくて後回しになっていました。もう,どう考えてもアカン方法ですが。/etc/default/keyboardを直接編集してしまいます。

sudo vi /etc/default/keyboard

として,

XKBOPTIONS="ctrl:swapcaps"

を設定して再起動します。これでコンソールもX window systemもCaps LockとCtrlが入れ替えられます。

4. 右クリックと中クリック
デフォルトの状態ではトラックパッドは左クリックにしか反応しない,というのでちょっとたいへんです。設定がよくわかりませんが,同じことで困っている人がいるようで,そのとおりに設定をします。

synclient -l | grep Tap

とすると,TapBotton2とTapBotton3は0となっていて何も設定されていません。TapBotton2は2本指によるタップ,TapBotton3は3本指によるタップで,2に設定するとホイールクリック,3に設定すると右クリックとなります。

コンソールで
synclinet TapButton2=3
とすると2本指タップで右クリックとなります。しかし,再起動するとまたリセットされてしまいます。ここにかかれている通り,設定をします。

sudo cp /usr/share/X11/xorg.conf.d/70-synaptics.conf /etc/X11/xorg.conf.d/
cd /etc/X11/xorg.conf.d/
sudo vi 70-synaptics.conf

として,ファイルの一番最後に,以下を追記します。

#
Section "InputClass"
Identifier "touchpad"
Driver "synaptics"
MatchIsTouchpad "on"
Option "TapButton1" "1"
Option "TapButton2" "3"
Option "TapButton3" "2"
Option "HorizTwoFingerScroll" "on"
EndSection

これで2本指タップで右クリック,3本指タップで中クリックになります。3本指タップがちょっとやりにくいですが,とりあえずX window systemのcut and pasteのお作法はクリアできるので,可とします。