Windows 11の初期設定

Windows 11から初期設定でMicrosoftアカウントを登録しないと設定が完了しないように改悪されました。Windows 10ではなんだかんだやるとローカルアカウントの設定が出てくのでそれでMicrosoftアカウントを登録せずに設定が完了できたのですが,それが廃止された,ということです。

ネットワークにつながらない環境では手元のWindows PCにログインさえもできない,というふざけた仕様をユーザーに強要して個人情報を吸い上げようとするのでMicrosoftのOSなんて使ってたまるか,と思ってしまうのです。AppleだってFireFoxだって個人情報の登録をうるさく言ってきますがログインできないというようなことにはなりません。しかしオンラインアカウントでログインする,ということは目の前にPCがあるのにログインできないというバカげたことが起こりうる,ということです。

観測でトンネルの中でログインしようとしてPCが使えませんでした,なんて話はいくらでも起こりそうです。ますますWindowsは使い物にならないOSになるのですが,ちゃんと抜け道がありました。誰がどうやってそういう抜け道を発見するのかわかりませんが,ありがたいことです。こことかここに懇切丁寧な解説があります。

簡単に整理すると,基本的なファイルのコピーが終わって再起動したのち,PCの設定がはじまると,「国または地域」の設定画面になります。
1. 「国または地域」の設定画面でShift + F10を押す
2. コマンドプロンプトがでたら,コマンドプロンプトをクリックしてフォーカスを移す。
3. コマンドプロンプトでoobe\BypassNRO.cmdと入力してエンターを叩く。
4. 勝手に再起動して最初から設定がはじまる。
5. この時点でWifiのアクセスポイントの電源を抜くなどしてネットワーク接続ができないようにしておく。
6. 「国または地域」,キーボードなどの設定を設定する。
7. 「ネットワークに接続しましょう」という画面が出たら,「インターネットに接続していません」をクリック。
8. 今すぐ接続しろ,とか偉そうに言ってくるのを無視して「制限された設定で続行」をクリック。
9. ローカルアカウント名を入力
10. パスワードを入力
11. セキュリティの質問を3つ設定
これであとは残りの設定を勝手にやって起動します。

実に馬鹿馬鹿しいですが,Microsoftにアカウントを設定するくらいなら死んだほうがましなので頑張ってMicrosoftアカウントを回避するのです。

Windows 10のインストール

最近,Windowsをインストールすることはまったくといってよいほどなかったのですが,とある事情でWindows 10をクリーンインストールする必要がでてきました。組織のボリュームライセンスを使うことが前提なので,組織で提供するisoファイルをダウンロードしてきてインストールするのですが,isoファイルのサイズが5GBを軽く超えていました。

通常はUSBをFAT32でフォーマットしてISOの中身を適当なライターソフトで書き写せばよいのですが,FAT32では4GBを超えるファイルの書き込みはそもそもできません。しかも通常のDVDディスクは4.7GBですからDVDに書き込むこともできません。Double LayerのDVDを使えってことなのかもしれませんがそんなディスクの在庫も持っていないし,そもそも,ディスクドライブを持っていません。Windows 10の通常エディションであれば,Microsoftのサイトからツールを使って起動可能なUSBを作成する方法が提供されていますが,それでは後からボリュームライセンスによるライセンス認証ができません。

八方塞がりか,と思っていたところ,こちらにインストール用USBの作り方が紹介されていました。ボリュームライセンスが使えるようなところでは普通は専門のIT屋さんがいて対応してくれるのでしょうけれど,うちはそういうわけにはいかないのでハマりまくりです。

他に,ここにあるようにwimファイルを分割する方法もあるようです。

しかし,残念ながらいずれの方法もうまくできませんでした。どうやら,Microsoftのサイトにあるインストールメディアを作成するツールを使うのが一番よさそうです。Microsoftのインストールイメージのダウンロードページからインストール用USBを作成します。書き込みには8GBのUSBメディアが適切です。このツールを使って作成したUSBにはWindows 10のすべてのエディションが含まれています。具体的には,Home, Pro, Educationです。職場のサイトライセンスはEducationなのでこれをインストールしなくてはなりません。

ツールを使って作成したUSBメディアから起動するとどのエディションをインストールするか問い合わせてきますので,適切なエディションを選択してインストールを続ければOKです。しかし,エディションの選択メニューが表示されるのは,もともとプリインストールされていたOSがWindows 7以前である場合や,Windowsではない場合に限られます。プリインストールされたOSがWindows 10 Home/Proの場合はこちらの意図とは関係なくプリインストールされたいたOSを自動的に選択してインストールしようとします。

これもまた,Microsoftの余計なお節介なのですが,これを回避して,必ずエディションを選択する画面を表示させる方法はこことかここに詳しい説明があります。手順を簡単にまとめると以下の通りです。

1. ei.cfgというファイルを作成して,メモ帳を使って以下を記入する。
[EditionID]
[Channel]
Retail
[VL]
0
2. このei.cfgをインストールメディアのsourcesディレクトリににコピー。
3. USBからPCを起動。
4. windows 10のインストーラが起動して,(プリインストールOSに関係なく)どのエディションをインストールするかを選択する。

なんか親切なんだかなんだかわからない便利仕様のおかげで余計な手間がかかりまくっています。

簡単そうに見えるけれども,メーカーが想定していることとちょっとでも異なることをしようとすると如何にもこうにもならない,というのはOSのあり方としてどうなのか,と思います。どうしてもWindowsを使わなければいけない,ということがない限り,Windowsはこれまで以上に使う気にならないOSになっていることを再認識することになってしまいました。