mewでFromアドレスを切り替えて使う

DNSにSPFレコードを追加することでgmailにおいてセキュリティでメールが弾かれないようになったのですが, それはローカルのサーバーで,ローカルのメールアドレス(サーバー名)を使って送信した場合に限られる,ということに気がつきました。

ややこしい話なのですが,ふだん,職場から送信するメールは,職場の標準のメールアドレスをFromに記載して送っています。しかし,実際にメールを送信するのは職場全体で使っているメールサーバーではなく,ローカルなメールサーバーということになっています。

つまり,emacs + mewでメールを書いて,メールにはFromアドレスとしてuser1@fuga.co.jpを設定しているのですが,mewがメールの転送を依頼するsmtpサーバーはfuga.co.jpではなくローカルのメールサーバーであるhoge.fuga.co.jpなのです。そのため,mewを使ってgmail宛のメールをかいてメールを送信すると,当然のことながらFromに書かれているアドレスのドメイン(fuga.co.jp)と送信サーバーのドメイン(hoge.fuga.co.jp)が一致しないためSPFレコードを参照した時点で,spam判定されて受信を拒否されます。

hoge.fuga.co.jpからmailコマンドを使ってgmail宛にメールを送ればもちろん,問題なくメールを送信できるのですが何もアプリケーションを入れていないメールサーバー上でメールを書いて送るなんてことはとてもやってられず,使い物になりません。

そこで,gmailへ送るときだけFromフィールドにhoge.fuga.co.jpドメインを書くようにmewの設定を切り替えて使いたい,と考えました。

これもよくわからなかくてハマりまくったのですが,Mew 6.8マニュアル8.11節にその設定方法がかかれていました。

要するに,mew-config-alistという変数を設定すると,複数の"case"を設定でき,その"case"に名前をつけて置いて,名前を指定して設定を切り替えることができる,ということらしいです。Fromの設定にかかわる変数は,name, user, mail-domainという変数なので,これを複数の"case"について設定すればよい,というわけです。これら3つの変数は

name <user@mail-domain>

というふうにFromに書き込まれます。したがって,.mew.elに以下のように設定すると期待する動作をしてくれます。

(setq mew-config-alist
'((default
(mail-domain "fuga.co.jp")
(user "user1")
(name "MyName USER"))
(temporal
(mail-domain "hope.fuga.co.jp")
(user "user2"))))

mewのサマリーモードでC (大文字のC)を叩くとミニバッファに

Case value (default):

と表示されるのでdefaultかtemporalを入力すれば切り替わります。mewの起動時は自動的にdefaultが読み込まれることになっています。"case"がdefaultの場合はFromには

MyName USER <user1@fuga.co.jp>

と書かれますが,temporalに切り替えるとFromは

MyName USER <user2@hoge.fuga.co.jp>

になります。後者であればgmailもちゃんとメールを受け取ってくれます。

"case"を切り替えてそれを忘れたままメールを送っていたりすると送信元アドレスが異なるために,受信側が混乱してしまって危険です。しかし,gmail宛に送ることは滅多にないので,とりあえずは場当たり的対応としてはこれでよいだろう,と考えてしばらくはこれで使ってみようと思います。

滅多に使わない,ということは,"case"を切り替えるコマンドをすぐに忘れてしまいそうで,結局,必要なときにオタオタしそうです。

SPFレコードの追加

最近,gmailがspam判定を厳しくしたようで,DNSにSPFレコードが登録されていないサーバーからのメールはすべて弾くようになっています。そのため,職場のローカルサーバーに届いたメールをgmailに転送して職場の外でメールを読むというようなことをしていると,転送がすべてエラーになって受信できないばかりか,送信元へはセキュアじゃないのでエラーになりました,というメールを送り返す,ということまでやってくれて,メールを送信した人もなんのことだかわからず混乱して,こちらへの不信をつのらせる,ということになってしまいます。

しょうがないので,ローカルで運用している職場のメールサーバーのためにSPFレコードを設定することにしました。メールサーバーとして特に難しいことはしていないので単純にipアドレスを設定しておくだけで問題なさそうです。mxを設定しているのでipアドレスのかわりに「mx」と書いてもよさそうなのですが,ややこしいことはやらない,という方針で以下のようにしました。メールを送るサーバーの名前がhoge.fuga.co.jpでそのipアドレスを192.168.111.10と仮定すると,

hoge.fuga.co.jp. IN TXT "v=spf1 +ip4:192.168.111.10 ~all"

と書けばよいようです。ホスト名の最後にピリオドをつけるのを忘れそうですが,DNS設定のあるあるミスで,気をつけねばなりません。また最後の~allは-all (チルダのかわりにマイナスをallの前につける)のほうが厳格な設定になるようですが,gmailはその違いをあまり気にしないようなのでとりあえずチルダにしています。

これで,hoge.fuga.co.jpから送信されたメールが本当に192.168.111.10から送られてきたのかを受信側サーバー(例えばgmail.com)がDNSに問い合わせてOKだったらメールを受信する,というわけです。

DNSに正しく設定されたかどうかは

nslookup -type=TXT hoge.fuga.co.jp

としてホスト名を引いて,

hoge.fuga.co.jp txt = "v=spf1 +ip4:192.168.111.10 ~all"

というのが返ってくればOKです。

たった1行のことなのですが,よくわからんことをやるためにはイチから調べねばならないため結構な手間がかかりました。Google様が世の中を支配しているというのをこんなところで実感するハメになりました。うーむ。

Trek Emonda ALR 4

ここのところカメラのカテゴリーにばかり書き込んでいて,他のことは何も書き込みをしていませんでした。別に,満遍なく書く必要もないのですが,今更のように偏りが大きいなぁ,と再認識しました。自転車のカテゴリーにはほとんど何も書いていなくて2009年8月以来,ほぼ13年も何も書いていませんでした。これはこれで凄い話です。この間,自転車について何もなかったのかと言うとそんなことはなくて普通に乗っていました。

これまで乗っていたロードバイクは2007年10月に導入したTrek 1.2でした。2011年の東北の震災のときはガソリン不足のため,自転車で調査に行ったりしてとても活躍をしてくれました。さすがに10年以上乗ってくたびれてきたので,いろいろとパーツを変えてメンテナンスするくらいであれば新しいものを購入した方が手っ取り早そうだったので,昨年(2021年)の今頃(6月),思い切って買い換えることにしました。

自転車のメンテナンスはいつもTrekの専門店のちばサイクルコンセプトストアにお願いしていました。そういうこともあって,次も迷わずTrekにしようということでお店に行ったのが昨年の6月でした。自転車には乗っているものの新型自転車にどんなものがあるのか,とかどういう仕様が最近のトレンドなのか,とかそういうことには全く興味がないので,お店で新しい自転車を見て,Trek 1.2とは様子がすっかり変わっていることに驚きました。Trek 1.2は一番安いグレードのひとつ上,ロードバイクのなかでは下から2番目のグレードだったと思いますが,自転車本体で10万円あまりだったと記憶しています。

当時は,マウンテンバイクかクロスバイク,ロードバイクかというくらいの大まかな区別しかありませんでしたが,イマドキの自転車はドロップハンドルのロードバイクにもいろいろなカテゴリー分けがされているようでした。もちろん当時も長距離を旅行するためのランドナーのようなタイプもありましたが,Trekがそれに力を入れているようには見えませんでした。ロードバイクでも,ランドナー,通勤などで快適に使うことも想定したクロスバイクとレース用の中間みたいなもの,レースにも使うもの,というような区分でタイヤの太さもバリエーションがありました。Trek 1.2には23x700Cのタイヤをつけていましたが,イマドキのレーサーは25x700Cがよいらしい,とか,そもそもブレーキはほとんどのモデルがディスクブレーキになっていたりして,すっかり浦島太郎状態でした。でもって,価格も10年以上前から比べて随分と高くなっていました。

そのうえ,コロナで自転車需要が以前にも増して高くなっているため,オーダーしても納車まで1年かかる,ということでした。しかし,Trek 1.2が使えないわけではないので気長に待てばよい,ということにして納車までの時間の長さは購入の際には特に考慮しないことにしました。Trek 1.2と同程度のグレードのロードを選べばよい,と思っていたのですが,このあたりのものは快適性を重視して太めのタイヤをはいていて,すこし車重も重いようでした。もちろん,自分がレースをする,ということはないのですが,なんとなく心情的に軽くて速いのがうれしい,というのもあって,結局,かなり贅沢をしてレーサー風モデルのなかで一番下のグレードであるEmonda ALR 4を調達することにしました。

2021年6月にオーダーして,納期は約1年と言われたのですが,どういうわけか2021年9月20日に納車できる,という連絡があって結局3ヶ月待っただけで手元に届きました。もう1年前の話を今頃メモしていますが,たんに,そのときの写真がでてきたから,というのがこれを書いている理由です。
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最後の日のTrek 1.2です。奥の赤い自転車はカミさん用に2020年に買ったGiantのEscape R3です。Trek 1.2はサドルも穴だらけでボロボロです。変えろよ,と云う話ですが,13年間,ずっと同じものを使い続けていました。
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後ろから。適当にタイヤを買ってきてつけているので,色が前後で違ったりして脈略がありません。おしゃれとはまったくの対極をいってます。

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Trek 1.2につけていたサイクルコンピュータでこれまでに走った総距離をみてみたら,17,705kmでした。Garminのものをつける前は,ポラールのCS100をつけていました。高い割には簡単に壊れてなんだかなぁ,というものでしたが,少なくとも10,000km走ったことは確認しましたが,その後,どれだけ走ってから壊れたのかよく覚えていません。たぶん20,000km以上は乗っていたと思います。とすると,Trek 1.2で40,000kmくらいは走ったのではないかと思います。13年間で4万kmとすると,1年に3千km,1ヶ月に250km,週に60kmほどです。通勤で乗るのは往復23kmほどで,週に2,3回,多い時は4回自転車で通勤していましたから平均して週に60kmというのはおよそ妥当な感じです。遠出をしたりすることがあってもたいした回数ではありませんし,せいぜい100kmくらいしか乗らないので全体からすればごくわずかです。やはり,日々の通勤に使っている分が一番大きいウェイトを持っていると云うことだと思います。

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ちばサイクルまでTrek 1.2に乗って行ってTrek 1.2は引き取ってもらい,新しいEmonda ALR 4に乗って帰ります。お店で新旧自転車の対面です。Trek 1.2には本当に世話になりました。事故もなく(小さな事故はあったけど),無事にほぼ地球を一周するくらいの長さをよく走ってくれたと思います。

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で,新しいEmonda ALR 4で家に帰って,ディスプレイスタンドに載せようと思ったら,Trek 1.2で使っていたものはスルーアクスルのEmondaには使えないということをその場で理解しました。先に教えてクレェ,と思いつつ,しょうがないので物置の前に立てかけています。でもって,もう一度,ちばサイクルまで戻ってディスプレイスタンドを買って帰りました(トホホ...)。