EF-M 11-22mm F4-5.6 IS STM (Lens #042)

Canon EF-M 11-22mm F4-5.6 IS STM

マウント:EF-M
焦点距離:11-22mm (35mm版換算18-35mm)
開放F値:4-5.6
絞り羽根:7枚
レンズ構成:9群12枚
最短撮影距離:0.15m
最大撮影倍率:0.3倍
フィルター径:55mm
質量:220g (カタログ値)

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EF-M 11-22mmはCanon最初のミラーレス一眼であるEOS Mの発売から9ヶ月ほど後の2013年7月に発売された超広角ズームレンズです。35mm判換算で18-35mmの画角をカバーするにもかかわらず,非常に小さくて軽量です。レンズ内手振れ補正もあって,ズームとしてはかなり寄れますので非常に使い勝手がよいレンズです。ただ,コンパクトさの代償として沈胴式になっていて使うときにはロックを解除してからレンズを繰り出す必要があります。そのため速写性には少し劣るところがありますが,スナップなどの時はレンズを繰り出した状態で持ち歩けばよいのでそれほど大きな問題ではないと思います。

最近のレンズはやたら大きく重くて高価なものばかりのなかで,一昔前のレンズとはいえ,かなりお手軽価格であることもこのレンズのよいところです。鏡筒はプラスチックでチープ感は漂ってますがマウントは貴族ですし必要なところにコストがかけられています。

肝心の写りですが,EF-Mマウントレンズの中では個人的には一番気に入っていて,私自身にとっては十分な性能です。超広角をコスト,大きさ,軽さと高いレベルでバランスをとってこれだけお手軽に使えるというのは他にはない価値だと思っています。広角が好き,ということもありますが,EOS Mを持ち出す時はほぼ例外なくこのレンズをつけています。荷物を増やせる時はこのレンズの他に何か1本,高倍率ズームのEF-M 18-150mmか単焦点のEF-M 22mm F2あたりを持って行きます。もっとも,EF-Mマウントのレンズはほとんど選択肢がないので他に持っていくべきレンズ自体が存在しない,という話もあります。

EF-Mマウントのカメラを使っていて,かつ広角が好き,というならこの11-22mmの1本だけで不満なくかつ比較的低コストで十分に楽しめると思います。
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このレンズによる作例をこちらにおいています。よろしかったらご覧ください。

EF-M 18-150mm F3.5-6.3 IS STM (Lens #041)

Canon EF-M 18-150mm F3.5-6.3 IS STM

マウント:EF-M
焦点距離:18-150mm (35mm版換算29-240mm)
開放F値:3.5-6.3
絞り羽根:7枚
レンズ構成:13群17枚
最短撮影距離:0.25m (18〜50mm時),0.45m (150mm時)
最大撮影倍率:0.31倍 (150mm時)
フィルター径:55mm
質量:300g (カタログ値)

EF-M 18-150mm F3.5-6.3

Canon初のミラーレス一眼カメラであるEOS Mは2012年10月に発売されました。Canonとしては3つめのマウントで新たにカメラを出すという,無謀というか勇気ある発売であるように思いました。

私はEOS Mの発売時に何を血迷ったのか,これしかない,というわけのわからん信念を持って初物に飛びついてしまいました。AFが迷うとか遅いとかCanonにありがちな初物でのトラブルは多い機種でした。発売と同時にEOS Mを購入し,1ヶ月後にはアルメニア出張に持っていって使いました。軽くて小さくて仕事のお供にはたいへんよいカメラでした。このときに調達したのはダブルレンズキットで,EFレンズ用のマウントアダプタ,ストロボ,22mmの単焦点,18-55mmのズームレンズがセットになったもので結構お買い得だと勝手に思い込んだうえで導入しました。EF-Mレンズで現時点でディスコンになったレンズはキットレンズであった18-55mmだけだと思います。

アルメニアへ出発する前に予備電池を調達する暇がなくてセットに同梱されていた1個の電池だけを持って行きましたが,驚くほど電池の持ちが悪くて必要なときに写真が撮れないという致命的な失敗に泣かされました。

それはともかくとして,18-150mmはEF-Mレンズ初の高倍率ズームレンズとして2016年11月に発売されました。このレンズの発売時のCanonはEF-Mにどのくらい力を入れるのかはっきりしない状態だったはずですが,ある程度コンスタントにEF-Mマウントのカメラやレンズの新製品が発売されていました。この2年後の2018年10月にはフルサイズの本格的なミラーレス一眼であるEOS Rが新たなRFマウント発売されました。デジタルカメラが売れなくなって久しいい2018年時点で,EF, EF-S, EF-M, RFと4つのマウントを維持するのは大Canonを持ってしても苦しいことと思われました。そのため,EF-Mマウントのカメラやレンズの収束が取り沙汰されることになります。実際,EOS R以降のEF-Mマウント関連の新製品はあまりパッとしません。

EOS MとともにリリースされたEF-M 18-55mmがディスコンになったのはEF-M 15-45mmが2015年10月に発売されたことによると思われます。標準ズームの広角端は35mm版換算で24mmというのがこの当時の雰囲気だったことが大きかったと考えています。しかし,高倍率ズームは広角側を欲張らずに18mm (35mm版換算で29mm弱)としているのはレンズがあまり大きくならないようにという配慮があったのかもしれません。

いずれにしても,個人的には24mmの画角が好物なので,28mmからのズームは今ひとつ使う気になりません。EF-Mマウントのレンズは鏡筒の太さやフィルタ径を全て同じにする,という縛りをCanonが自ら入れているようで,そのサイズに収まらなかったのかもしれません。ただ,EF-Mの望遠ズームを持っていないため,望遠で撮りたいときにはこのレンズを引っ張り出してきます。望遠端で35mm版換算で240mmの画角は十分に望遠レンズとして使えます。もちろんAPS-Cサイズのセンサのためのレンズですからボケはそれなりです。でも望遠端の開放は暗いとはいえそれなりに(レンズの焦点距離相応に)ボケます。

そんなわけでこのレンズの出番はあまり多くないのですが,それでも望遠域が欲しいときはEF-M 11-22mmといっしょに持ち出しています。

写りは望遠端はやや甘いようにも感じますが,あまり細かいことを気にするようなカメラでもレンズでもないですから十分な性能で普通に使えます。
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このレンズによる作例をこちらにおいています。よろしかったらご覧ください。