Fujifilm X70の純正アクセサリー

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Fujifilm X70の修理をするかどうか悩みつつヤフオク!でX70の中古が出ているかどうかを横目でチラチラ眺めていたのですが,"X70"をキーワードにして検索するといろいろと関連するアクセサリー類がヒットします。どういうわけかワイドコンバーターレンズ(WCL-X70)の新品が捨て値で大量に出回っていたりしてそれにつられてか中古品も安値で出ています。また,純正のフードも値崩れしているのか妙に安くでています。純正フードの新品の値段はちょっと私には考えられない高価っぷりですが,この値段なら買ってみよう,という気にさせてくれる値段のものが目につきます。

せっかく修理を依頼したのだから,と意味不明の言い訳をして,X70の専用アクセサリをヤフオク!でいくつか調達してみました。
1. ワイドコンバージョンレンズ シルバー(WCL-X70 S) 34,000円+税
2. 専用フード ブラック(LH-X70 B) 10,600円+税
3. レザーボトムケース(BLC-X70) 11,000円+税
手元のX70はシルバーですがアクセサリーの色は何も考えずにヤフオク!にそのとき出品されていて安いものを調達したのでシルバーとブラックが混じっていて出鱈目です。価格はメーカー希望小売価格です。こうやって並べてみるとアクセサリだけでずいぶんな金額です。X70本体は発売時(2016年1月)の量販店価格が税込96,000円くらいだったようですので上記アクセサリだけで本体価格の半分を超えてます。これらを新品で揃えるというのは私にはちょっと想像もつかないのですが,何故か今頃になって値崩れしているので遅ればせながら調達したというわけです。

ワイコンはアクセサリーとしてはお値段も立派ですが,さすがに作りも立派です。装着してもカメラは自動認識しないのでメニュー画面でワイコンの補正をonにせねばなりません。補正をonにすると歪曲が補正されて普通に写りますしExifにも焦点距離が14mmとして記録されます。onにするのはたぶん忘れませんが,ワイコンを外したときにoffにするのを忘れそうです。offにするのを忘れるとワイコンなしで撮っているのに歪曲が補正されて歪んでしまうという悲しいことになってしまいます。ゴム製の花形フードがついていますが,嵌め込むだけの仕様なので,向きがずれるとケラれたりします。でもって,ワイコン本体はX70にねじ込み式です。ワイコンをX70本体に取り付けたときにどこが上面にくるか目印もないのでフードの取り付けは面倒です。フィルタ径は62mmで手元にあった広角用の薄枠のUVフィルタを取り付けておきました。
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X70は逆光に弱いわけではないのでフードはなくても差し支えないのですが,なんとなくフードがないと落ち着かないのでつけてみました。フードの先端にはネジが切られていないし,先端部分が斜めになっているため,フードを取り付けるとフィルタもキャップが取り付けられない,というなんだけイマイチな仕様です。フードの端が斜めになっているために,かぶせ式のキャップも取り付けられません。手元のジャンク箱のなかのキャップを片端から取り付けてみたところ,古いニコンのキャップだけが取り付けできました。よくみるとこのキャップには"Nippon Kogaku Tokyo"と書かれていてどうやら占領時代のレンズについていたキャップのようです。日本が日本に戻ってからは"Nippon Kogaku Japan"と刻印されますので"Tokyo"の刻印があるレンズは超レアなのです。レンズがレアあならキャップもレアなわけで,一部の熱烈なニコンファン(と富士フィルムのファン)には怒られてしまいそうな使い方です。保護フィルタも付けられない状態でキャップなしで持ち歩くのは怖いのでこれで良しとしています。このキャップのマニア度の高さに気がつく人がいるとは思えないですし。
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レザーボトムケースはお値段相応によい作りです。底面の電池とSDカードの蓋の部分も開くようになっていて電池やSDカードの交換のためにわざわざケースをとりはずす必要はありません。特にこれをつけたからといって何かよいことがあるわけでもなく,無駄に重くなるだけなのですが,せっかく調達したのでしばらく使ってみようと思います。
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いつものことながら本質から遠いところにどんどん進んでいる気がします。

X70とワイコンWCL-X70による作例をこちらに置いていますのでよろしかったらご覧ください。

Fujifilm X70の修理

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FujifilmのX70はレンズを駆動するサーボモーターか何かが不調で,電源を落としてもレンズが引っ込まず,電源を再度入れると「電源を入れ直してください。」というエラーが表示されて撮影ができなくなっていました。このままヤフオク!で処分してもよいかな,とも考えましたが,XQ2も壊しちゃったし(娘が落とした...),Fujifilmのカメラの色は捨て難く,せめてX70だけでも残しておきたいと考えて修理することにしました。RicohのGR IIIを調達しちゃったあとに修理しようと考えてしまう己の道楽の業の深さを感じます。

都内へ出たついでに二重橋前の駅にほど近いFujifilm Imaging Plaza 東京へカメラを持ち込んで修理をしてもらうことにしました。コロナのため,カメラを持ち込むだけでもいちいち予約の電話を入れなくてはならないのが面倒ですが,平日はあまり来客はないようで間際に電話をしても予約を受けてくれました。予想通り,レンズユニットをアッセンブリで交換,という修理で,X70はレンズにお金がかかっているカメラなので当然のようにとても修理費は高くつきそうでした。基本料金として12,000円は定額であとはパーツ代ですが,レンズAssyが33,600円,合計税込5万円ちょっとという見積もりでした。ヤフオクに出ているX70の中古よりも高価だとちょっと考えてしまいます。1, 2日返事を保留していたところ,部品代を見直して11,700円で税込合計26,070円という再見積もりが来ました。この値段ならまったく迷うこともなくて,即座に修理を依頼しました。

修理には通常,1週間から10日かかるということでしたが,お盆休みを挟んでパーツセンターがお休みのため時間がかかるということで結局,2週間ほどして修理完了の連絡がありました。直接,自宅に送ってもらうこともできるのですがその場合は代引きのみ,ということでした。代引きで送るというのはカミさんにあれこれバレてしまう悪手です。なので,Fujifilm Imaging Plaza東京でピックアップすることにしました。この場合は,現金でもクレジットカードでもパスモでも支払い可能ということでなんでもありです。少しくらいの期間なら預けておいても大丈夫,ということでしたので次に都内へ行く機会まで預かってもらうことにしました。

お盆も過ぎてだいぶしてからピックアップをして復活したX70でようやく写真が撮れるようになりました。

Ricoh GR1s (フィルム)とGR III (デジタル)

フィルム時代のGR1sとデジタル化されたGR IIIが手元にあるので,誰でも考えるように並べてみたくなります。まぁ,それだけの話なのですが。

リコーのフィルム時代の高級コンパクトカメラであったGR1sとデジタル時代の高級コンデジであるGR IIIはフィルムと撮像素子の大きさの違いから搭載されているレンズは前者は28mm F2.8,後者は18.3mm F2.8と異なっていますが画角は35mm版換算で28mmです。同じ開放F値でも当然焦点距離が長いGR1sのほうがボケ量は大きくなります。あまりボケを活かして撮るというような性質のカメラではないにしても表現の幅が広いかどうか,と言われれば理論的にはGR IIIよりもGR1sのほうに軍配があがります。ただ,GR1sは近接撮影時にはファインダーにパララックス補正が表示されますが,ある意味アバウトなので近接で厳密なフレーミングは困難です。フレーミングに関しては撮像素子に届いている画像がそのまま見えているデジタルカメラにはフィルムカメラはとても太刀打ちできません。ただ,そんなにすごく厳密なフレーミングをするのか,と言われると撮影者の技術やセンスがたいしたことはないので,フレーミングもそれほど気にする必要もないのかもしれません。

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並べてみると大きさ,形のいずれもよく似ていることがわかります。よく似ている,というよりはよく似せた,というべきかもしれません。シャッターボタンの形までそっくりです。確かにフィルム時代のGR1シリーズはひとつの完成形だったとも言えるのでそれをデジタル時代に踏襲する,というのはひとつの考えかただと思います。GR1sとGR IIIの大きな違いは露出補正ダイアルの有無とダイアルの機能です。GR1sの絞りダイアルはGR IIIではモードダイアルになり絞りは目盛のないダイアルで変更します。GR1sにあった露出補正ダイアルは消滅し,GR IIIでは右手の親指が届く位置のレバーに変わっています。右手だけで操作ができる,という点でより合理的ですし,GR IIIには液晶モニタがあるので絞り値や露出補正量はダイアルではなく液晶を見ればよい,という考えなのでしょう。

両者は大きさは同じくらいに見えますが持ってみるとデジタルのGR IIIのほうがずっと重く感じます。液晶モニタをはじめとして筐体内に部品がぎっしり詰まっているからでしょう。フィルムのGR1sは当然ですが,フィルムのスペースはスカスカで,かつそのスペースが筐体内部の大部分を占めています。GR1sは軽くて当然です。

それにしても,GR1sの発売からほぼ20年,それにもかかわらず,ほとんど同じように見えて中身が全く異なるカメラが2台並んでいるというのはなんとも感慨深いものがあります。