マウント:AR
焦点距離:55mm
開放F値:3.5
絞り羽根:6枚
レンズ構成:3群4枚
最短撮影距離:0.25m
フィルター径:55mm
質量:255.27g (実測値)
HEXANONのARマウントのマクロレンズです。ARマウントのマクロレンズはベローズ用の105mm F4を別にすると普通のタイプはこれだけだったと思います。単体での最短撮影距離は25cmで撮影倍率は0.5倍です,等倍リングとセットで販売されていたようで,このリングを使うことで等倍撮影ができる,というものでした。開放F値が3.5なのは無限遠の時だけで,撮影距離が短くなるとどんどん暗くなるようで,どのくらい暗くなるかは繰り出してくる鏡筒に刻印されています。レンズ単体での最短撮影距離ではF5.2まで暗くなるようです。ミラーレスで使っているとファインダーが暗くなるわけでもないので,まったく気がつかなかったりします。
下の写真は距離環が無限遠の場合と最短撮影距離の場合を示しています。撮影距離が短くなると鏡筒がどんどん繰り出してきます。繰り出した鏡筒には開放時のF値が刻印されています。鏡筒先端には3.5と書かれており,最短撮影距離まで近づくと5という刻印が見えます。
レンズ本体を単体でカメラにとりつけると絞り環は3.5から刻印されているのが見えるようになっていますが,レンズ本体のもともと裏(下)側だった部分にはF5.2から刻印されています。等倍リングにレンズ本体を取り付けるとカメラに取り付ける上下が逆になります。そのため等倍リングを挟むとF5.2から刻印されている部分が表(上)側にきます。
下の写真は等倍リングを挟んだときに上にくる側を見ています。等倍まで近づくと開放F値は7まで暗くなるようです。相当暗いです。
イマドキのレンズでは無限遠のときだけ開放F値が小さくて撮影距離が短くなると暗くなる,というようなものはありませんが,昔はこういうレンズは珍しくなかったように思います。Carl ZeissのFlektogon 35mmも(マクロレンズではないけど),そういうタイプのものが古い世代にはありました。マクロレンズの場合は,普通は三脚を使うべきものなので,暗くなってもあまり気にする必要はないのかもしれません。一眼レフの場合は,ファインダーが暗くてピント合わせがたいへんだったのではないか,と想像します。しかし,ミラーレスで使うならファインダーは勝手に明るさを調整してくれるし,感度を上げれば手ブレもある程度は抑えられますから,今となってはあまり気にしなくて良さそうです。
このレンズによる作例をこちらにおいています。よろしかったらご覧ください。