マウント:AR
焦点距離:50mm
開放F値:1.4
絞り羽根:6枚
レンズ構成:6群7枚
最短撮影距離:0.45m
フィルター径:55mm
質量:293.08g (実測値)
HEXANON AR 50mm F1.4はHEXANON AR 57mm F1.4の後継として1973年に登場しました。57mm F1.4の時代はまだ無駄が無駄ではなかった時代であったと思いますが,1970年代はいろいろな意味でのコストカットが真剣に考えられる時代に入っていたと考えられます。そういう意味でこのレンズは新しい時代のレンズなのだと思います。詳しい解説はいつもお世話になっているこちらにありますので,わざわざ新しく書くようなこともありませんが,簡単にサマリーを残しておきます。
この個体はシャッター速度優先モードが使えるようになったAEタイプの最初の形のモデルです。このモデルの前には絞り優先モードにのみ対応したEEタイプがありました(1973年に登場したのはEEタイプです)。コストカットの時代に入ったのに57mm F1.4に比べてなぜかレンズが1枚増えています。後群の2群2枚はランタン材が使われているとのことで,黄変する可能性が高いレンズです。手持ちの個体はあまり黄変が気になりませんので,黄変の進行状況は個体差が大きいのかもしれません。
このレンズは写りは悪くないし,中心部はシャープなのに優しい写りで嫌いじゃないタイプのレンズです。しかし,どういうわけか,写真を撮っていてピンとこないものがあるのです。これは主観的なものなのでいわゆる相性というようなものなのかもしれません。初期の52mm F1.8が(ジャンクだったのに)それなりにインパクトがあったのである意味優等生である50mm F1.4の良さがわからなかったのかもしれません。決して嫌いなレンズではないのですが,私の感性とはどこかうまく噛み合わない部分があるレンズです。不思議です。
このレンズによる作例をこちらにおいています。よろしかったらご覧ください。