ドミノ

恩田陸の「ドミノ」を読みました。

やたら登場人物が多いので話をフォローできるかちょっと不安がありましたが,登場人物をきちんと描き分けられていたので,すっと読むことができました。昔の松竹新喜劇のようなドタバタぶりがなんとなく懐かしい感じがしました。まったく関係ない人が東京駅のなかで偶然に結びついていく様子がとても面白く,最後のオチまで一気に読むことができました。

王妃 マリー・アントワネット

遠藤周作の「王妃 マリー・アントワネット」を読みました。

ここのところ異常に忙しく電車の中でも本を読まずに仕事をせざるを得なかったためなかなか読めませんでした。私自身は「ベルサイユのばら」は読んでませんが,まさにその世界です。同僚にこの本を貸したらベルばらの世界でとても面白い,といって喜んでくれました。

ベルばらかどうかは別として,マリー・アントワネットという人物の心の移ろいがきめ細かく描かれていて非常に楽しく読めました。史実と異なる脚色もあるようですが,不自然ではなく,マリー・アントワネットの心を浮き出させるようにうまく役者がそろっている感じです。

人間のエグさ,というか残忍さを改めて感じさせる内容でいろいろ考えさせられました。