津田梅子

大庭みな子の「津田梅子」を読みました。

ここのところ,じたばたしてばかりで本をよむどころではなかったのですが,少しずつ読んでいた「津田梅子」を読み終えました。津田梅子は津田塾大学の創始者としてあまりに有名ですが,アメリカのフィラデルフィア郊外にあるBryn Mawr Collegeに留学していました。

私がアメリカでDrexel大学に1年滞在していた当時,Bryn Mawrにアパートを借りて住んでいたのですが,Bryn Mawr Collegeはすぐ近くで,時々,散歩に行ったりしていました。それまで津田梅子とBryn Mawr Collegeは私の中ではつながっていなかったのですが,かの地で津田梅子が留学していた大学だ,ということを聞いて急に津田梅子という人物を身近に感じるようになりました。

この本は,津田梅子が最初にアメリカに留学したときに世話になった(ホームステイしたというべきですが)育ての親とも言えるチャールズ・ランマン夫人であるアデリンに送った膨大な手紙を追いながら生々しい津田梅子の人となりを紹介していくという内容です。津田梅子は「明治の偉人」の一人であることは間違いないと思いますが,人間らしさ,というか人となりが手紙から垣間見え,それが実にうまくまとめられていると思います。

もちろん,津田梅子の人間性あっての手紙ですが,著者の筆力によるところも大きいと思いました。端々に実にもっともだ,と強く共感する津田梅子の考え方が現れていて,この人物の偉大さというか,懐の深さを感じました。今の社会,今の生き方について反省する事も多くあるように思います。

ますます,津田梅子のファンになりました。なんか,今更,って感じもしますが。

MacOS 10.6.8のX11でCan't open display: :0.0

いまだにMacOS X 10.6.8を使っているのは,別にセキュリティに対する意識が低いわけではなく,Appleが私が使っている10inch MacBook Airを見捨ててしまった,というそれだけの理由です。もちろんお仕事用コンピュータなので備品番号がついているわけですが,購入日の欄には2008/12/xxとかいう日付がはいっています。もう10年近く使っているってことです。

10年前のパソコンなんて使うな,というのがAppleの主張なのかもしれませんが,いまひとつ納得いきません。

そういう話じゃなくて,ある日,突然,X11 (X Quartzじゃない...)を起動したら

Can't open display: :0.0

というエラーがxtermに表示されました。X11のメニューのアプリケーションからターミナルを選んでxtermを起動すると,エラーを吐いている割にはちゃんとxtermが立ち上がります。ところが,そのxtermからxterm &などとしてxtermを起動しようとすると上記のエラーで(正しく?) exitしてしまいます。

特になにかへんなことをやった覚えはないのですが,調べてみるとやはり先達はいるようで,なんだかロックファイルが原因でひっかかっているようです。そういえば,disk fullでX11がクラッシュしていたようなのでそれが原因で,ロックファイルが正しく消去されずに残ってしまったのかもしれません。なんもやってないだろう,なんて記憶は実に曖昧で無責任なものです。

というわけで,ロックファイルを消せば良いらしい,という情報に従って,

cd /tmp
rm .X0-lock
rm .X1-lock <-- 再起動したX11が作成したものらしい。
sudo rm -rf X11-unix/ <-- これはrootじゃないと消せないのでsudoする。

とやってX11を再起動すればディスプレーが開けないよ,というエラーは解消しました。

めでたしめでたし。

銭湯

九大で学会があって福岡へ行ってきました。

九大は博多からはるかに離れたところにありますが,だからといって大学の周辺にホテルがあるわけでもないので福岡に泊まるしかありません。ところが,日曜日の夜はイベントがあるとかでホテルは大混雑で値段も異様に高く,ホテルを探すだけでたいへんでした。

ようやく見つけた,というか見つけてもらったホテルも残り一部屋,予約と同時にクレジットカードで決済してキャンセルしても返金なし,というアコギな商売をしているところだけしか残っていませんでした。やむを得ず予約してお金を払いましたが,日曜日が15,000円,月曜日は5,000円というわけのわからん値段設定です。

天神の近くの便利なような不便なようなところにあって構えは立派ですがはいってみると,なんと外階段,外廊下のマンションでした。ワンルームマンションのドアを取り替えてホテルにした,というような感じです。工夫としては悪くないですが,それにしても15,000円はないよなぁ,と。5,000円ってのが妥当だと思います。

で,中途半端な時間についたのでこれと言ってやる事もなく(いや,仕事しろよって話はおいといて),夕飯を食べに出かけたものの,飲み屋ばかりで一人ではいるのは遠慮してしまいます。安直にホテル近くの店で博多ラーメンなど食べてホテルに戻ってくると,ホテルから20mほど離れたところになんと銭湯があります。

冗談かと思って近寄ってみると確かに「みんなのまちのおふろやさん」なんてノボリまでたってます。これは行かない手はない,ってんで,コンビニでシャンプーとボディソープを調達して(ローソンはこういうときに欲しいものが売っていなくてセブンイレブンは旅行用の小さなのをちゃんと売っているのです),ホテルのタオルを借用していざ突撃です。

学生時代にキャンパスのすぐ近くにあった銭湯へ,研究の疲れを癒して気分転換と称して16時の開店と同時に行っていたのが懐かしく思い出されます。16時に風呂屋へくるのは学生とヤクザだけ,と相場が決まっていて,いつもクリカラモンモンのお兄ぃさんといっしょに湯船につかっていたものです。

それから20年,スーパー銭湯なんていうチャラけたものじゃなくて,正真正銘の公衆浴場組合加盟店,由緒正しい伝統ある本物の銭湯。学生時代は230円だったのが,440円でした。高いのか安いのか私にはもうわかりません。銭湯にはいったとたんに,懐かしい。一瞬で20年を逆戻りした錯覚を覚えます。レバー式のお湯と水の栓も昔と同じ。桶がケロリンの黄色いヤツでないのがちょっと残念でした。風呂屋はケロリンでなくてはならない,というわけのわからん刷り込みがあるので。

日曜日の夜,ぽつぽつと近所の老人らしき人が来るくらいで,スーパー銭湯のようなばたばたした感じもなくて実に落ち着きます。

アコギなホテルに泊まったなぁ,とちょっと悲しかったけれども,銭湯のおかげで元気が出ました。

銭湯万歳。
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